体外受精（IVF）は、不妊症に悩む方々に希望をもたらす治療法として広く知られています。しかし、IVFのプロセスは複雑で混乱しやすく、どのように進行するのか具体的に理解するのは難しいかもしれません。本記事では、IVFの開始から終了までの流れを詳しく説明し、それぞれの段階で何を期待すれば良いのかをご紹介します。

ステップ1：初回相談と準備（1～2週目）

IVFを始める前に、専門医との相談が必要です。ここでは、病歴や過去の治療、不妊の原因となる可能性のある要因について話し合います。

この段階で何が行われるのか？
血液検査や超音波検査、パートナーがいる場合は精液分析など、さまざまな検査が実施されます。その結果に基づいて、あなたに最適な治療計画が策定されます。また、この期間中に体をIVFサイクルに備えるための薬が処方されることもあります。

**山本理恵医師**（生殖医療専門家）は次のように説明しています。「最初の相談は、不妊の要因を特定し、個々に合わせた治療計画を作成するために非常に重要です。」

何をすれば良いのか？
喫煙をやめる、アルコール摂取を控える、バランスの良い食事を取るなど、生活習慣の改善が求められる場合があります。

ステップ2：卵巣刺激（2～4週目）

次に進むのは卵巣刺激です。この段階ではホルモン注射を受け、多数の卵子を生成するよう卵巣を刺激します。

この段階で何が行われるのか？
卵胞刺激ホルモン（FSH）や黄体形成ホルモン（LH）などの注射を受け、卵胞（卵子を含む袋）の発育を促進します。医師は頻繁に血液検査や超音波検査を行い、卵胞の成長を確認します。

**佐藤一樹医師**（生殖内分泌学専門家）は次のように述べています。「この段階では、卵胞の数と質のバランスを重視しながら、治療が進行します。」

ステップ3：卵子採取（14～15日目）

卵胞が十分に成熟したら、卵子採取の段階に進みます。これは鎮静下で行われる簡単な手術です。

この段階で何が行われるのか？
細い針を使って卵巣から卵子を取り出します。所要時間は20～30分程度で、手術後は軽い痛みや出血を伴うことがありますが、当日中に帰宅できます。

**佐藤医師**は次のように説明しています。「質の高い卵子を採取することが、成功への鍵となります。」

ステップ4：受精と胚培養（15～18日目）

採取した卵子は、パートナーや提供者の精子と結合させて受精させます。通常、3～5日間にわたり胚の成長を観察し、最も適した胚を選びます。

ステップ5：胚移植（18～21日目）

胚移植はIVFのハイライトともいえる段階です。この手順では胚が子宮に戻され、妊娠を目指します。超音波を使いながら慎重に移植が行われます。

ステップ6：妊娠検査とフォローアップ（21～28日目）

移植後10～14日で血液検査が行われ、妊娠の有無を確認します。hCGホルモンのレベルが妊娠の進行を示す重要な指標となります。

まとめ

IVFは複雑で感情的な旅ですが、それぞれのステップを理解することで不安を軽減し、成功の可能性を高めることができます。医療チームを信頼し、自分自身を大切にしながら、家族を築く夢に一歩ずつ近づいていきましょう。